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山谷 Vol.9
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    eri's Art
-もう一つのかたち-

『心開く鍵を渡しに行こう』
    
    Vol.54
2009.06.24

    from:eri
       
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  poem -心開く鍵を渡しにいこう-

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『山谷体験記 vol.9』


■偏見■



あるおじさんは就職活動する為の履歴書を嬉しそうに見せてくれた。
字が大きくハッキリと奇麗に書かれていた事が印象的だった。
威勢よく、
「ちゃんと仕事探してるんだよ。」
と明るく話してくれた。



公園の縁に寝ていたあるおじさんがいた。
まだ底冷えするとても寒い時期だ。
毛布もなく、ジャンパーを一枚被っているだけだった。
話かけても、あまりちゃんとした返事は返ってこなかった。
その時は丁度毛布を車で配っていたので、
一枚の毛布を敷布団代わりにし、一枚をかけてあげた。
敷布団を敷く為におじさんに立ち上がって貰うよう言うと、
力なくよろけ、倒れかかってきた。
小さく痩せ細ったおじさんだ。
体が弱りきっている事がわかる。



あるおじさんが、「いろは商店街」で地べたに大の字のようになって寝ている。
遠くから見ていると、何とか上半身を起こそうとしている様子が見えた。
ちょっと心配になったので、そばに寄り「大丈夫?」と何回か話しかけてみると、
声にならない声で何かを言っている。
何度か聞き返してみた。
その瞬間私の中で言いようもない感情が湧いた。
私の耳には確かに「ありがとう」と聞こえた。
何回か繰り返し言っていた。
私はびっくりして耳を疑った。
一瞬訳がわからなくなった。
臭いもすれば普通に見れば汚いおじさん。
けれどとてつもなく愛しく思えた瞬間だった。
私はとりあえず心配だったので他のボランティアの人に来て貰った。
結局その人は泥酔していたのである。
弱っている体にお酒を入れてしまうようだ。
でも、そこでおじさんの口から出てきた言葉に私はただただ衝撃を受けていた。



あるおじさんは身なりが綺麗で、
つい最近までは、普通にサラリーマンでもしていたのかと思うような雰囲気を持っていた。
何となくビクビクした様子で一人孤独に座っていた。
持っているものは小さめのかばん一つ。
ダンボールもなければ毛布も持っていなかった。
数週間後にまたそのおじさんを見た時、「いろは商店街」にも慣れてきたのか、
ダンボールを敷き、表情も少し柔らかく、他のおじさん達の中いた。
何となく、多少なりとも孤独ではなくなっている様子が嬉しかった。



いつ見てもうずくまったままのおじさんがいる。
声をかけても反応はない。
精神的病を負っているのか、どうしたのだろうか?と思う。
すると隣に寝ているおじさんが
「この人はいつもこうだからほっといていいよ。大丈夫だから。」
との事。
何がこのおじさんをこうさせてしまったのだろう…?

<次回につづく、、、>

from : eri 2003.07.21 

※「山谷」とは
東京の台東区と荒川区にまたがる地域で、
日雇い労働者の街であり、路上生活者が多く集まる地域です。



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by eri_art | 2009-07-19 01:49 | 山谷のこと
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